今年の締めはちょっとミステリアスな話題。
とある事情からダキニ天をご神体とするお稲荷さんをお祀りしています。
ダキニ天はもともとはインドの女神であり夜叉、人間の心臓を食し法力を
得ているとされ、大日如来に諭されて、生きた人間の心臓を食すのを止め、
善神に転身したらしい。
某試論によると南北朝時代ころにまとめられた「新道集」や
「十四者稲荷大明神事」には、ダキニ天の本地(本当の姿)は大日如来であり、
文殊菩薩であり、普賢菩薩であり、多聞天であり、如意輪観音であると
記されているそうです。
また、「稲荷大明神祭文」には本地が文殊菩薩でダキニ天と同体なのが
十一面観音、如意輪観音、不動明王、愛染明王、弁財天、聖天、大黒天
とされているそうです。
法力を得るためとはいえ人間の心臓を、お供えすることはできません。
そこで天眼を備えて、人の死を6カ月前に予知する能力を与えられている
女神、直々に魂を選んでもらうようにしました。
それにしてもダキニ天の本地が様々な仏像であったり、同体であったりと
なかなか興味ある記録であります。
おおもとは仏陀である訳なので、その時代ごとの解釈で、様々な形の仏像が
存在することは自然なことなのかもしれません。
来年こそは新型コロナウイルスが終息することを祈ります。
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